あらすじ
六人集まって、やっと名探偵ひとり分――。
一問しか解けない、ポンコツ探偵が六人。ひとりでは何の役にも立たない。でも六人揃うと、警察も匙を投げた“誰にも解けない事件”だけは、なぜか解けてしまう。
【完結済・毎日更新/全八十七話。軽妙な探偵コメディ、その底に一滴、ぞっとする真実】
〈六何探偵社〉。ここには、事件の5W1H――何時(いつ)・何処(どこ)・何人(だれ)・何事(なに)・何故(なぜ)・如何(どうやって)を、ひとりずつ受け持つ、変わり者の探偵が六人いる。ひとりにつき、一問だけ。それ以外はてんでダメ。
七十一歳の頑固な元時計職人。十七歳のひきこもり地図少年。十二歳の発明少女。生者より死者と話すほうが得意な検死官。犯人にまで泣く共感体質。そして、過去のない飄々とした青年。
廃ビルの密室。走るバスの中の死。完璧すぎる空白。悪人がひとりもいない町。動機のない殺人――「で、犯人だれ!?」が口癖の六人が、言い争い、脱線し、それでも一問ずつ、着実に謎を埋めていく。
けれど、事件を解くたび、その底に一滴ずつ滲んでくるものがある。十八年間、痕跡ひとつ残さず人を“消し”続ける伝説の犯人〈白紙〉の影。そして、過去のない探偵がずっと蓋をしてきた問い――「僕は、いったい誰だ?」
読み進めた先で、その六つの問いは、たったひとりの“消された誰か”に、静かに収束していく。
――読み終えたとき、『探偵は六人いる』というこのタイトルが、きっと少し違う意味に見えている。
探偵は、六人いる。揃って初めて、真実になる。