あらすじ
冤罪によって悪魔召喚師の濡れ衣を着せられ、最果ての不毛の地へ追放されたヴァルハイト公爵家の嫡男、クリス。
誰もが彼を「冷酷無比な悪魔貴族」と恐れていたが――真実は違った。
(待って待って! 大勢に見られて緊張で声が出ない! 喋ろうとしたら絶対噛む!!)
彼は生まれつき、「人前に出ると緊張で声が出なくなり、焦るほど顔が凶悪に引きつる」という超・極度のあがり症だったのだ!
「人っ子一人いない場所……? つまり、誰とも喋らなくていい夢の引きこもりゾーン!?」
歓喜したクリスは、追放先のダンジョンを自身のスキル『環境改変』と『箱庭農園』で劇的リフォーム!
豪華な温泉を掘り当て、絶品の魔導野菜を育てる至高の引きこもりライフを開始する。
そんなある日、同じく冤罪で追放された優秀な内政令嬢・セラがダンジョンに逃げ込んできて――?
「クリス様。お話しするのが難しいようでしたら……筆談にしませんか?」
「(神か!?)」
筆談と絶品料理を通じて心を通わせる二人。
クリスの「強面の裏にある優しさとあがり症」を理解したセラは、彼の広報兼秘書としてパートナーに!
さらに、クリスが地下で作った温泉や農園の余剰水が地上へ溢れ出し、荒野に奇跡の湧水が出現。
噂を聞きつけた難民たちが押し寄せるが、クリスは喋れないため岩壁に【図面(ここを掘れ)】を刻むことしかできず……。
「あの方こそ真の領主様! この文字は皆様を救う『神託』です!」
(※セラの完璧すぎる神格化通訳)
「おおお! 寡黙にして慈悲深き神のごとき聖者様だー!」
(※クリスの心の声:『盛られすぎてない!!?』)
一言も喋らないまま、無言の指示だけで勝手に「理想郷(ダンジョン都市)」が形成されていく!
一方、二人を追い出した元婚約者とぶりっ子令嬢は、セラ不在で実務が破綻し自滅していき――!?
喋れない最強貴族と一途な内政令嬢が贈る、勘違いと美味いご飯と温泉に満ちた、大逆転スローライフ開幕!
【登場人物紹介】
クリス・ヴァルハイト
冤罪追放された元公爵家嫡男。見た目は威圧感バツグンの超強面だが、中身は極度のあがり症な心優しい少年。「静かに温泉に入って美味しいものを食べたい」だけなのに、無言の指示がことごとく「神託」として盛られてしまう。
セラフィナ・フォン・ローゼンベルク(セラ)
元婚約者ジュリアンらに濡れ衣を着せられ追放された優秀な内政令嬢。クリスに救われ、彼の「あがり症と優しさ」を理解した唯一の人物。クリスの広報・秘書として、彼の意図を(やや神格化しつつ)完璧に通訳する。
ジュリアン&クロエ
セラとクリスを追放した愚かな元婚約者とぶりっ子令嬢。セラの優秀さに依存していたため、追放後は領地の書類仕事と財政が完全に破綻し自滅中。
ヴァルハイト公爵
クリスの実父。「鉄血」と恐れられるが、実は息子以上の超・あがり症。大観衆前でパニックになり、助けるつもりが「廃嫡だ。行け」としか言えなかった不器用な父親。