あらすじ
エミル・ガランは隣国との戦争で名を馳せた軍人だった。しかし平民の叩き上げだったから、大した教育を受けているわけでもなく、上流階級との人脈もなかった。国はエミルを叙爵したかったが、貴族家の経営をうまくできるとは思われてはいなかった。
「お見合い……ですか?」
「正確には顔合わせだな」
上官が貴族の令嬢との縁談を持ってきた。シンシア・ホールデン子爵令嬢一七歳。シンシアの令嬢の優秀さと人脈があれば領経営も何とかなるだろうという国の判断だなと、エミルは思った。しかしシンシアは以前からエミルを知っていたのだ。