あらすじ
高校では「校内一怖い不良」と恐れられている一年生――峯岸湊。
大柄な体格に鋭い目つき、耳にはピアス。
おまけに中学時代から喧嘩の噂が絶えず、入学したばかりだというのに、クラスメイトたちは彼を見るだけで道を空ける。
けれど、本当の湊は喧嘩を好んでいるわけではない。
困っている人を放っておけず、不器用なくせに人一倍優しい――ただ、それを誰にも知ってもらえないだけだった。
そんな春の日。
また不良たちに絡まれ、制服を血と泥で汚した帰り道。
突然降り始めた雨の中で、湊はずぶ濡れになった一匹の黒猫を見つける。
自分の肩が濡れることも構わず猫へ傘を差し出し、飼い主を探していた湊の前に現れたのは――。
「あ! 見つけた!」
同じクラスの美少女、貝原愛だった。
明るく誰にでも優しく、クラスの中心にいる愛。
一方の湊は、誰も近寄ろうとしない“怖い不良”。
本来なら交わるはずのなかった二人だった。
けれど愛だけは、湊の噂ではなく――雨の中で猫を守っていた“本当の姿”を見る。
「じゃあ、私が最初?」
「何が?」
「高校でできた友達」
一匹の迷い猫をきっかけに始まった、二人の放課後。
猫にだけ見せる優しい顔。
初めて一緒に帰る道。
桜の舞う春の日に交わした、“友達”という言葉。
周囲が恐れる不良少年と、誰からも愛されるクラスのマドンナ。
噂や見た目ではなく、互いの本当の姿を知るたびに――二人の距離は、少しずつ縮まっていく。
これは、人から怖がられることに慣れてしまった少年が、一人の少女と出会い、誰かと一緒にいる温かさを知っていく物語。
そして少女もまた、誰も知らなかった彼の優しさに、少しずつ絆されていく。
一匹の迷い猫から始まる、ヤンキー少年とクラスのマドンナの一対一青春純愛ラブコメ。