あらすじ
気難しい夫エドヴァルドの機嫌を損ねないよう、感情を押し殺し、物静かに従順に生きてきたモーリア・アーナ。
しかし夫から突きつけられたのは「君を愛することは絶対にない」という冷酷な誓書と、「愛想がない人形のようだ」という理不尽な離縁状だった。
自由の身となったアーナは実家へ戻り、本来の天真爛漫で無邪気な笑顔を取り戻す。
ある日、親友に連れられて参加した社交界で、厳しい規律と冷徹さで恐れられる「氷の公爵」ガレン・ヴォルツィヒと出会う。
ガレンはアーナの拙いマナーを注意しようとするが、小柄で童顔な彼女の健気な愛らしさに一瞬で心を奪われ、寒がる彼女に自分の上着を掛けて紳士的にエスコートする。
ところがアーナは、上着を身に纏いながら「この人は怖いので嫌いです」と真正面から告げてしまう。
「俺が怖いだと……」
己の威圧感にまるで無自覚だったガレンは強い衝撃を受け、アーナに振り向いてもらうため、必死に表情を和らげ、不器用ながらも極上の甘さで彼女を溺愛し始める。
やがて心を通わせた二人は結婚。一方、勝手な理由でアーナを捨てたエドヴァルドは、愛されて眩いばかりに輝くアーナが、新しい夫ガレンと仲睦まじく手を繋いで歩く姿を目撃し、後悔と衝撃のあまりその場で卒倒するのだった。