あらすじ
白い塔には、あらゆるものが存在する。
そこにいるのは、いつから存在するのかも、自分が何者なのかも知らない一人の「案内人」。
塔を訪れる者たちは、それぞれ何かを求めている。
失ったもの。望んだ未来。忘れられない過去――。
案内人は訪問者を迎えるたび、ただ一つの問いを投げかける。
「あなたは何をお求めですか」
百八の煩悩に導かれ、塔を訪れる百八人。
彼らは求め、迷い、ときに手に入れ、ときに手放して、再び塔を去っていく。
そして、彼らとの出会いは少しずつ案内人にも何かを残していく。
何者でもなかった存在は、百八人との出会いの果てに何者になるのか。
これは、人の欲と心を巡りながら「ある存在を、その存在たらしめるもの」を探す物語。