あらすじ

前世の俺には、いつも赤点がついて回った。 「無能」「要領が悪い」「期待するだけ無駄」——そう繰り返し採点され続けた結果、気づけば俺は、自分で自分に赤ペンを入れる人間になっていた。 異世界に転生した。誰も俺の前世を知らない。差し出されるのは、まっさらな答案用紙だ。 なのに――俺の手には、まだあの赤ペンが握られたままだった。 物流ギルドでの在庫整理。薬草の分類。俺が「どうせ失敗する」と怯えながらこなす仕事は、なぜか周囲から「凄腕」「有能」と評価されてしまう。 褒められるたびに困惑する。期待されるたびに息苦しくなる。だっておかしいだろう、俺はあの惨めな「無能」のはずなのに。 「あんた、自分に下してる点数、低すぎじゃない?」 フラットな目で俺を見る見習い薬師・エルネだけが、俺の採点基準のおかしさに気づいている。だが、その本人にも何か隠している色眼鏡があるようで——。 自分がつけた点数と、他人がつけてくる点数。そのズレの中で、俺はもう一度、自分自身を採点し直せるのか。 これは、無双でも、ざまぁでもない。 ただ、自分の中の「赤ペン」と向き合う、ちょっと不器用な二周目の物語。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/08/23
  • 現在の作品『二周目の俺を、誰も採点していない』 ~前世で貼られた通知表は、この世界では白紙らしい。なのに俺だけが、まだ採点している~