あらすじ
『第三皇女様のお忍び婚約準備』
帝国の第三皇女ソフィア・フォン・ガルアには、誰にも言えないほど長く想い続けてきた相手がいる。
相手は、孤児出身の近衛騎士カイ。
七年前、幼かったソフィアを救った彼は、その後も彼女の近衛として仕え続けていた。
けれどカイにとってソフィアは、あくまで守るべき第三皇女。 自分のような家名すら持たない平民出身の騎士が、恋愛対象になれるはずがないと思い込んでいた。
そんなある日。
ソフィアの婚姻式が、二月後に行われることが決まる。
当然、自分ではない誰かと結婚するのだと思ったカイだったが――なぜかソフィアから頼まれたのは、婚姻式までの間だけ「お忍びで恋人のふり」をすることだった。
町を歩き。
手を繋ぎ。
お揃いの腕輪を作り。
互いの好きなものを知っていく。
恋人のふりだったはずの時間は、少しずつ二人の距離を変えていった。
もっとも。
ソフィアには、カイへ伝えていない大きな秘密があった。
――二月後に自分と結婚する相手が、カイ本人だということを。
七年間想い続けてきた第三皇女と、自分だけが婚約者だと知らない近衛騎士。
すれ違いながらも想いを確かめた二人は、やがて正式な婚約者となり、婚姻式へ向けて歩き始める。
招待状。
新しい家。
家名。
夫婦になったあとの生活。
さらにカイは、ずっと知らなかった父レンドと母ミアの過去にも向き合っていくことになる。
失った家族の墓を訪れ、泣き、過去を知り、それでも今の自分が生きる場所へ帰ってきたカイ。
そして今度は、ソフィアと二人で新しい家族を作ろうとしている。
「俺たちの家、ちゃんと二人で決めたい」
「はい。私も、カイと一緒に決めたいです」
恋人のふりから始まった二人が、本当の婚約者になり。
やがて、本当の夫婦になるまで。
身分差に悩む近衛騎士と、七年間一途すぎる第三皇女の、甘くて少しすれ違う婚約準備ラブコメディ。