あらすじ
窓を少しだけ開けると、夜の冷たい空気が頬を撫でた。
浮かぶ月は、思っていたより、近くに見えた。
月は、見え隠れしながら、赤く静かな光をこぼす。
わたしは、窓辺に立ったまま、しばらくその月を眺めていた。
カーテンの隙間から入り込んだ月明りが、部屋の床に丸いリングの影を作る。
こんな夜なら、眠らなくてもいいような気がした。
部屋は、音まで薄くなったようだった。
月を見ているのか、月に見られているのか・・・
鏡には、わたしの姿が、うつっていて、昼間とは違う知らない人のように見えた。
そして、土曜日の夜に、わたしは、死んだ。