あらすじ
とある日の早朝、池袋駅上空に巨大な鯨が出現した。
巨大鯨の出現を皮切りに、豊島区は宙を泳ぐ種々の海洋生物で満ちた。その海洋生物は触れる事は叶わず、またそれらは人へ超常的な影響を与える力を有していた。そして未知なるそれを『幻想』と呼び、幻想で溢れたその区域を『豊島区幻想』と称した。
また幻想と共に思春期を過ごす十代前半までをいつの頃からか『幻想標準世代』と謂うようになる。そして思春期に幻想の側で過ごした事が彼らの共感能力の発達に影響を与えた。それにより幻想標準世代は有形・無形の創造物の主題を解する力が高いとされた。
幻想標準世代と括られた世代も歳を重ね、幻想の鍋に沈む都立御薗高等学校では秋を迎え文化祭の準備に追われていた。
2-8組のクラス展示ではホラーハウスを行う事が決まり、その制作に皆が忙しくしている。しかしクラスは決して一丸となっているとは言えなかった。
クラス替えが行われた四月に、持ちうる才能や環境、性格でなんとなく決められてしまったポジションがあり、そのポジションを同じくするそれぞれのグループができた。いじめではない。けれど、確実に力を持つグループは持たざるグループへと、力を押し付けていた事は間違いなかった。
そして文化祭当日事件が起こる。作り上げ完成させたクラス展示がスプレーで目茶苦茶にされ、壁には『アンハッピーサイン』が落描きされる。
その後、他校でも文化祭の展示が模倣されたアンハッピーサインにより汚されてゆく。そしてその様子は動画投稿によって一気に同性代へと知り渡る事となる。アンハッピーサインの主題を読み取った幻想標準世代により、アンハッピーサインは共感と共に拡散され、街へと広まってゆく。またアンハッピーサインが投下された学校では彼ら彼女らのストーリーが絡み、擦れながら走り出す。
BS