あらすじ
八月、北極圏。
日本の極地観測船は、氷原の彼方から接近する正体不明の巨大生物を観測した。
それは、まだ始まりにすぎなかった。
深海から届く、人の声に似た異様な音。
顕微鏡の中で発見された、存在するはずのない世界。
そして、神話や伝承の中にしか存在しなかった“何か”が、世界各地で次々と観測され始める。
人類はやがて気づく。
神話は、過去の人々が作り上げた物語ではなかった。
ただ人類が、それを観測できなかっただけなのだ。
古い祭祀の一族に育てられた大学生・神代唯人は、北極で起きた異変をきっかけに、現実と神話の境界へ足を踏み入れていく。
科学が神を観測したとき、
世界の常識は崩れ始める。
――これは、人類が初めて「神域零度」に到達した時代の物語。