あらすじ
遠い未来、地球人類は高度な科学技術の発達で宇宙への進出を果たし、多くの異星人と出会い、それらを組み込んだ一大経済圏を築き上げた。一方、人工知能の飛躍的進歩で、様々な文化芸術の提供者は人間ではなくなり、例えば、職業としての音楽の専門家、演奏家は消滅した。クラシック音楽も同様で、すべてのプロのオーケストラは解散してしまった。
政府が保護対象として指定した「絶滅危惧職種」、職業としては成り立たないが文化的価値を認めた仕事の中で、ただ一人オーケストラの指揮者として残っていたのがジョウスケ・リョウバだ。そんな彼の元に、久し振りの仕事が舞い込む。それは、新しく創設されるオーケストラのデビュー演奏会の指揮の依頼だった。
半信半疑のジョウスケ・リョウバが、そのオーケストラ、「コズミック・オーケストラ」の練習に立ち会ってみると、そのメンバーは二十一人の十代後半の少女たちだけだった。地球に様々な理由で移住してきた異星人の中で、人類に害をなす可能性がある能力を持つ種族だけが、「敵性異星人」と指定されて様々な制約が設けられている。彼女たちはその「敵性異星人」の女の子だったのだ。
少女たちが日々クラシック音楽の演奏のレッスンを受けている全寮制の「アスカベ音楽学院」で、ジョウスケ・リョウバは、三か月後のデビュー・コンサートに向けて、週一回の合奏練習の指導をすることなる。
果たして、「コズミック・オーケストラ」の初コンサートは成功するのか。古くて懐かしい未来世界を舞台にした青春&音楽SF。