あらすじ

『たそがれ色のカフェオレ』の、四年後の物語です。ぜひ前作をお読みになってから、こちらへお進みください。 杉原陽菜多、二十四歳。信州松本の出版社に勤めて、二年目。土曜日の始発のバスに乗って、四十分かけて高原の民宿へ通う。コーヒーを飲んで、卵を割って、猫にリュックを取られて、日曜の夜に帰ってくる。笑ってしまうくらい、幸せな日々。 小暮修一郎、五十歳。二十六も年上の、あの人。 ーけれど二人は、いまだに一度も「恋人」という言葉を使ったことがない。手をつないだのは、三年で七回。陽菜多はその回数を、こっそり数えている。  やがて父が山を訪ねてきて、正確すぎる計算を突きつける。「あなたが七十のとき、娘は四十四です」  そして夏の朝、厨房で、あの人が倒れた。病院の廊下で「ご家族の方は」と聞かれ、陽菜多は「いえ、違います」と答えるしかなかった。 前作で逃げたのは、あの人でした。 今度、逃げたのはー私でした。 全十話・毎日二十一時更新

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カクヨム
カクヨム2026/08/22
  • 現在の作品よあけ色のカフェオレ