あらすじ
三ヶ月ほど前、神田神保町の古書店・舟保堂に、箱詰めした十三冊のノートが持ち込まれた。
持ち込んだのは、三十歳手前くらいの女だった。失踪した女怪談師・蛇ノ目亭とんぼのネタ帳、との触れ込みで、一冊一万円、まとめて十三万円のところ、十万円にまけておくという。
買取伝票に名前と住所を書いてもらおうとしたら、そのときにはもう、女の姿はなかった。念のためにと思い、盗犯係の顔馴染みの刑事に連絡を入れたが、それらしい盗難届は出ていなかった。
ここでご披露する怪談は、舟保堂から十三万円でノートを購入した怪異民俗学者・大越ケンタロウ先生から、そのネタ帳をお借りして書き起こしたものである。
十三冊のノートが尽きるまで、ゆるゆると、毎週土曜の夜九時に、一話ずつご披露していく所存です。