あらすじ
【あらすじ】
デザイン系学部に通う大学生・三枝陽斗は、地域冊子制作プロジェクトの取材で、郊外の印刷会社「東雲印刷」を訪れる。
そこで出会ったのは、赤紫の派手な髪をした四十三歳の工場員・黒瀬日出弥だった。
日出弥は軽口が多く、人と打ち解けるのがうまい。
けれど印刷機の前に立つと、ふざけた顔が消える。紙を扱う手、低い声、インクの匂い。陽斗はいつの間にか、彼のことばかり目で追うようになる。
男の人を好きになったことなんてない。
まして、二十二歳も年上の男を好きになるなんて思ってもみなかった。
それでも陽斗は、日出弥が誰かに笑うたび、名前を呼ぶたび、過去を知る人たちに触れられるたび、自分でも扱えない感情を抱えていく。
日出弥には、結婚まで考えた同級生女性、忘れられない男、そしてかつて傷つけてしまった年下の男がいた。
軽い恋を重ね、本気の恋から逃げてきた日出弥は、陽斗の初恋を受け止めきれず、また笑って逃げようとする。
インクの匂いから始まる、少し危うくて甘い年の差BL。
【登場人物】
三枝陽斗
21歳。デザイン系学部の大学生。
バイト多めで社交的だが、実は寂しがりで甘え下手。将来はデザイナーとして独立したいと思っている。
東雲印刷で出会った黒瀬日出弥に惹かれ、初めて男性への恋を知る。
黒瀬日出弥
43歳。東雲印刷の工場勤務。
赤紫の派手髪で、人懐っこく軽口が多い。元ドラマー。誰にでも優しいが、本気の恋からは逃げてきた。
陽斗にだけは、いつものように軽くできなくなる。
水原傑
31歳前後。グラフィックデザイナー。
学生時代に日出弥を好きになり、彼に傷つけられた過去を持つ。
現在、陽斗たちの冊子制作プロジェクトに関わる。
藤崎あゆみ
43歳。日出弥の同級生で、かつて結婚まで考えた女性。
現在は花屋兼雑貨店の店主。日出弥の弱さをよく知る、穏やかで現実的な人。
榊涼介
44歳前後。日出弥がかつて本気になりかけた男。
男女問わず関係を持つ浮気性の遊び人。日出弥に本気の怖さを刻んだ存在。
町田篤
29歳。東雲印刷の若手社員。
日出弥を「ヒデさん」と呼び、よく懐いている。陽斗の嫉妬を刺激する存在。
久我玲子
38歳。東雲印刷の営業担当。
日出弥の軽さも弱さも知る大人の女性同僚。陽斗に現実的な忠告をする。
瀬戸航平
21歳。陽斗の大学の友人。
軽口が多いが鋭い。陽斗の恋と危うさに早く気づく。
三枝ひまり
陽斗の妹。高校生。
生意気だが兄思い。陽斗の変化に敏感。