あらすじ

家族や友人には却って話しにくいことが、人形や動物、SNSの知らないアカウントには意外と楽に話せてしまう。あなたにそんなことはないだろうか。小金持ちなら占い師に嵌ったり、最近は無料で使えるAIなどという代物もある。物言わぬ相手や、自分を知らない相手、優しくて分かりやすい返事しかしない相手なら、耳に痛い忠告を聞かされることもない。この『分かりやすい』というのが厄介で、これは単純だという意味ではなく、要は『受け入れがたい』の対義語なのだ。都合のいい返事しかしてくれない相手に、深刻な悩みを打ち明けてしまう――その結果得られた答えは、往々にしてより深刻な結末をもたらす。ましてや相手が、人ならざる者だったならば尚の事、というのが今回紹介させて頂く怪談である。 これは今から3年余り前、F市に住む大学生から聞いた体験談である。当時まだ駆け出しだった筆者は怪談ライブからの帰途、にわか雨から逃れるようにして近くの町中華に駆け込んだ。店主がたまたま拙作をご存じで、話し込んだついでに面白い話を知らないかと尋ねたところ、そういえば、とバイトの女の子(ここでは仮にUさんとする)が高校時代の出来事を語ってくれたのだ。 「こいは、私の友達に起こったことなんすけどね」 Uさんは伏し目がちに表を見やった後、硬い面持ちで厳かに話し始めた――

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小説を読もう2026/08/22
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