あらすじ

美里は、長い時間をかけてようやく宮古島へ戻ってきた。 逃げるためではない。ここで生きるという、自分の“これから”を確かめるために。 けれど島は、ただの故郷ではない。 潮の匂い、風の音、夕暮れの海──そのすべてに、幼い頃から特別だった青年・琉太の気配が静かに残っている。 観光地として賑わう前の、素朴で広い島。 二人で駆け回った砂浜、風にさらわれた笑い声。 あの頃の無邪気な時間が、いつしか言葉にならない想いへと変わり始めた、あの瞬間。 そして、美里の胸に今も残る“ひとつの言葉”。 島に戻った彼女を迎えたのは、変わりゆく景色と、変わらず吹き続ける風。 その風は、止まっていた時間をそっと揺らし、忘れられない声を呼び起こす。 未来はまだ白紙のまま。 それでも美里は知っている──自分がここへ帰ってきた理由を。 『ビーチソング』は、風になった青年と、彼の想いを胸に歩き出す女性が、 ふるさとの風景の中で“止まっていた何か”を少しずつ動かしていく物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/22
  • 現在の作品BEACH SONG