あらすじ

「土いじりしかできない無能に、Sランクは過ぎた地位だ」 そう言い放たれ、冒険者ギルドを追放されたSランク鑑定士エルナ・フォルス。 だが誰も知らない。彼女の《万物鑑定》は、この豊かな国が滅びへと向かう薄氷の上に成り立っていることを、毎日教えてくれていたことを。 東の水脈は濁り、北の麦畑の地力は尽きかけている。半年後には、彼女を嘲笑った者たちは水さえ飲めなくなるだろう。 しかしエルナは弁明も懇願もしない。ただ静かに一礼し、種袋を揺らしながら大広間を後にする。 「喚くだけ無駄。種を蒔けば、いつか必ず実りと再会する」 向かった先は、誰も見向きもしない不毛の地・赤錆の谷。前世の農学の知識と土の声を聞く力で、彼女は眠れる大地を静かに蘇らせていく。そして老いた友『種爺』とともに、十年後に花開く神代の種――《世界樹の萌芽》を、二つの地にそっと埋めた。 国が枯れ果てていく中、蒔いた種はゆっくりと育ち――やがて訪れる、静かな実りの日。 喚かず、争わず、ただ土と向き合う女性の、十年をかけた壮大な因果の物語。蒔いた種は、必ず実る。それが、たとえ十年後でも。

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小説を読もう2026/08/22
  • 現在の作品『土いじりしかできない無能』を追放したら、国中が枯れ果てた件~十年後、蒔いた種と再会するのは私だけ~