あらすじ
「……また、落ちた」
就職活動に失敗し続けていた26歳、佐伯直人。
コミュ力なし。主体性なし。チームワークも苦手。
これといった特技もない。
そんな俺の唯一の日課は、コンビニの新商品を食べることだった。
新商品が出れば買う。
食べれば、味や食感、香り、後味まで気になる。
ただ、それだけ。
――そう思っていた。
ようやく決まった就職先は、食品メーカーの商品開発部。
そこで試作品を食べた俺は、初めて自分の感覚を言葉にする。
「……この商品、何かがおかしくないですか?」
誰も気づかなかった、ほんの小さな違和感。
原因を探っていくうちに、俺の『毎日コンビニ新商品を食べていた習慣』が、思いもよらない武器になっていることが分かってくる。
知識も経験もなかった新人が、
『食べること』だけを積み重ねて身につけた感覚で、食品開発の世界を駆け上がっていく。
これは、就職すらできなかった俺が、
いつの間にか会社に欠かせない存在になっていく物語。