あらすじ
「私には、何よりも優先しなければならない人がいるんだ。」
婚約者エドガルドからそう告げられた伯爵令嬢マリヴェル。
紹介されたのは、侯爵家で療養している十三歳の美しい第二王子シリウスだった。
十八歳の美青年が十三歳の美少年を「何より大切」と言う。
――ああ。そ、う、い、う、ことか。
婚約者をどう成敗すべきか考えていた、その時。
シリウスが激しく咳き込んだ。
呼気性喘鳴。呼気延長。頻呼吸。
その瞬間、マリヴェルの中で前世――現代日本の総合病院で働いていた小児科医の記憶が蘇る。
「あなたは、この方が何より大切なのですよね?」
「……そうだ。」
「でしたら私も、この方を最優先にします。」
医師を集め、診療記録を作り、この世界の魔法医学を学び直し、病弱な王子を全力で元気にすることにしたマリヴェル。
ところが、シリウスが元気になるにつれ、何故か婚約者の様子がおかしくなっていく。
婚約者より大切だと言われた相手を全力で優先した結果、仕事も人生も、何故か恋愛まで大きく変わってしまう、元小児科医の異世界お仕事ラブコメ。