あらすじ
十年前、世界各地に突如としてダンジョンが出現した現代日本。
神崎隼人、二十二歳。
裏社会で《JOKER》と呼ばれる彼は、依頼人に代わって大勝負に挑む凄腕の代打ちギャンブラーだった。
すべては、難病《環境魔素不適合症》を患う妹・美咲を救うため。
だが三年に及ぶ治療で借金は四億円近くまで膨れ上がり、一晩で一千万円を稼げるようになった今でさえ、仕事も報酬も裏社会の胴元に握られたまま。
そんなある夜、隼人は一人のトップ探索者の配信を目にする。
魔石。レアドロップ。億単位の希少装備。
ランクを上げれば跳ね上がる収入。
危険なら自分の意思で撤退できる一方、死ねばそれで終わり。
隼人は計算する。
――A級探索者まで上がれば、妹の治療費も借金も、自分の力だけでどうにかできる。
しかも、この世界には一度のドロップですべてをひっくり返す大当たりまで存在する。
「……なんだ。ちゃんとした賭場があるじゃねえか」
探索者となった隼人に与えられたのは、複数のビルドを持てる《複数人の人生(マルチアカウント)》と、効果すら定かではない《運命の天秤(フェイト・スケール)》。
戦士、魔法、遠距離、そして無数の装備とスキル。
拾い、組み、賭け、時にはすべてを突っ込む。
やがて配信者《JOKER》として知られていく男の、現代ダンジョン成り上がりが始まる。
――命を賭けるなら、勝ち分は全部いただく。