あらすじ
紹介文では、**航平先輩の生死を伏せて「何があったのか」を読ませる形**が合います。
安全にうるさい養護教諭・アンナには、誰にも言えない過去がある。
大学二年の春。
ヨット部の練習中、穏やかだった海が突然荒れ始めた。
次々と転覆する艇。
途切れる無線。
吹き荒れる風と高い波。
仲間たちは必死に生き延びようとする。
アンナもまた海に投げ出され、憧れていた主将・航平先輩とともに流されていく。
「アンナ、しっかりしろ!」
つないだ手だけを頼りに、二人は荒海に耐える。
やがて一隻の漁船が現れ、アンナに救いの手が差し伸べられる。
けれど――。
あの日、海で何が起きたのか。
なぜアンナは、それほどまでに「安全」にこだわるのか。
時は流れ、アンナは中学校の養護教諭になった。
雷が近づくグラウンド。
猛暑の中のプール授業。
「これくらい大丈夫」
そう言う教師たちに、アンナは何度でも立ちはだかる。
「危険です。やめましょう」
大げさだと言われてもいい。
嫌われてもいい。
あの日の海が、彼女に教えたことがある。
これは、過去を胸に抱えながら、生徒たちの命を守ろうとする一人の養護教諭と、保健室に集う子どもたちの物語。