あらすじ
古来からの伝承によると世界樹の根元には、この世の森羅万象全ての叡智が記されているとされる魔法図書館があるとされている。
多くの国が、人種が、善意が、悪意が、叡智を求め散っていった。
だが、僅かに帰ってきたものはこの世の常識をひっくり返す叡智を授かっていたのだ。
そんな危険極まりない場所に送られたのが王国の斥候兵アレス。
調査という名の体のいい死に任務。
生きて叡智を持ち帰れば王国は潤い、死ねば次の兵が送られる。云わば使い捨ての駒のような存在であり、扱いであった。
紆余曲折ありながらもアレスは何とか世界樹の根元、魔法図書館へ辿り着き、そこで清流のように静かで美しい声に導かれる。
『私はこの魔法図書館の司書フレンダ。さて、貴方はここで何を望みますか? 魔法の根源ですか? 世界を統べる法則ですか? あらゆる叡智を授けましょう』
死屍累々の目にあった極限状態のアレスはフレンダにこう答えた。
『あんたを抱きしめる方法を知りてぇ』
『!?!?!?』
これは下心から始まる世界の一端。
声だけの少女フレンダを抱きしめる為に奔走する男の物語だ。