あらすじ
転生して記憶喪失になり、記憶を取り戻すと、俺は学園一の嫌われ者だった。
前世では、孤独な兵士として生きた。
命を懸けて戦い続けても、最後まで手に入らなかったものがある。
――家族。
死後、異世界へ転生したジーク・エンドンが手に入れたのは、優しい両親や兄弟に囲まれた、前世では望んでも得られなかった人生だった。
しかし、その幸せは八歳で終わる。
ある事件を境に前世の記憶を失ったジークは、別人のように傲慢な性格へと変わり、周囲から恐れられる嫌われ者となってしまった。
そして八年後。
十六歳になったジークは、失っていたすべての記憶を取り戻す。
待っていたのは、家族を傷つけ、弱者を虐げ、婚約者からも見放されかけている現実。
今さら「記憶を失っていた」などと言ったところで、傷つけた人々の過去が消えるわけではない。
ならば、自分が消えればいい。
そう考えたジークが決めた新たな目標は――
学園を退学し、エンドン家から追放されること。
すべてを捨て、誰も自分を知らない場所へ行く。
そのはずだった。
しかし、記憶を取り戻したその日から、ジークの周囲では本来起こるはずのなかった出来事が、少しずつ動き始める。
これは、一度目の人生を孤独に終え、二度目の人生すら失敗した男が――
三度目(Third Take)の人生で、もう一度「誰かと生きる」ことを知っていく物語。