あらすじ

七瀬心春には、誰にも言えない秘密がある。 「感情遅延症候群」——出来事に対する自覚的な感情だけが、正確に三日後に遅れて届くという、極めて稀な体質だ。だから心春は、いつも自分の心に一番遅れて気づく。楽しいはずの日に涙が止まらず、悲しいはずの日に、なぜか笑ってしまう。三日前の自分が受け取り損ねた感情を、今日の自分が代わりに引き受ける——そんな奇妙な生を、心春は静かに飼い慣らしてきた。 けれどある朝、抑えきれないほどの想いが、前触れもなく胸に押し寄せる。「三日前ノート」を開いて、心春は知る。三日前、幼なじみの神代蒼に告白され、自分はそれに「わからない」とだけ答えて、彼を深く傷つけていたことを。 今ならわかる。心春はずっと、蒼のことが好きだった。 けれど蒼はもう、心春に振られたものとして、そっと距離を置き始めていて——。 三日遅れの本心は、もう終わってしまった恋に、間に合うのだろうか。 これは、「今」を生きられない少女が、自分の心に追いつくための物語。

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小説を読もう2026/08/22
  • 現在の作品『感情、三日遅れ。』 ―わたしが「好き」に気づくのは、いつも全部終わったあとだった―