あらすじ
生活魔術の安全監査官だったレオン・ハルツは、新旧設備が混在する地域展開の安全性をめぐって組織と判断を違え、任期を更新されなかった。
彼には、稼働する魔術設備に生じた「綻び」が見える。だが分かるのは、どこが不安定かだけ。原因も直し方も、止めた先で誰が困るかも、その目は教えてくれない。
次の仕事を求めて辺境の町へ来たレオンを待っていたのは、水の出ない共同井戸だった。
町の運用を担うマーヤや若い修理人ニコと、古い設備、新しい規格、現場に残る修理の知恵、そして暮らす人々の都合を一つずつ確かめていくレオン。
やがて町で積み上げたやり方は周辺地域へ広がり、彼の仕事は「自分が直す」ことから、「次の人も安全に判断し、直し続けられる状態を残す」ことへ変わっていく。
壊れた設備を直すだけでは、暮らしは直らない。
魔法世界の生活インフラを、町から地域へ立て直していくお仕事ファンタジー。