あらすじ
四十五歳になった今も、直人は昔のことを妙によく覚えている。
小学生の夏。
六人の友達で作った秘密基地。
そこに持ち込まれた、小さな「御神体」。
そして、子供たちが口にした四つの未来の夢。
「自分の店を持つ」
「絵を描く仕事をする」
「幸せな家族をつくる」
「世界中を見て回る」
大人になれば忘れてしまうような、子供の頃の夢。
けれど直人だけは、三十四年間ずっと覚えていた。
諦めようとする友達に「本当に?」と問い、
頼まれてもいないのに背中を押し、
ときには余計なお世話だと怒られながら。
そして四十五歳の今。
四つの夢は、すべて叶った。
ところが直人は、そこで終わろうとしない。
「これで神様、信じる?」
さらに彼は、何度も口にする。
「あと一人」
昔は六人だった。
今、集まっているのは五人。
三十四年前の秘密基地で、彼らは何を願ったのか。
なぜ直人だけが、今も「あの日」を終わらせようとしないのか。
忘れてしまった夢を、ずっと覚えていてくれた友達がいる。
大人になった幼馴染たちが、もう一度あの夏へ向き合う、
三十四年越しの友情と願いの物語。