あらすじ
魔王の復活により、人類が滅亡の危機に瀕する世界。
次代の勇者を決める《天職選定の儀》で選ばれたのは、剣術も魔力も筋力も人並み以下、ただ「勇気」だけが測定不能という青年レオンだった。
しかも、彼に集められた仲間たちも問題だらけ。
魔法使いなのに滑舌が悪く呪文をまともに唱えられないミレイア。
戦士なのに筋力がないガルド。
魔物使いなのに魔物から嫌われるノア。
忍者なのに動くたび関節が鳴るシオン。
僧侶なのに神をまったく信じていないエルナ。
史上最も頼りない勇者パーティーは、ゴブリン相手にも大苦戦しながら魔王討伐の旅へ出る。
ところが、初めてのレベルアップを境に奇妙なことが起こり始める。
呪文を噛んでいたミレイアは流暢に詠唱できるようになり、非力だったガルドは大剣を振るえるようになる。
喜ぶ六人。
だが、強くなるにつれて彼らの性格まで少しずつ変わっていく。
優しかった戦士は仲間を救うことを「非効率」と判断し、魔法使いは悩みや感情を無駄だと言い始める。
そしてレオンの能力表示に現れた謎の数値。
《職業適合率――12%》
レベルが上がるほど、人はその職業にふさわしい能力と人格へ変えられていく。
では、なぜ自分たちは最初からこんなにも職業に向いていなかったのか。
やがて六人は知る。
勇者も魔王も、戦士も僧侶も――この世界の「職業」そのものに、誰も知らない秘密があることを。
強くなれば、世界を救える。
だがその時、自分はまだ自分なのか。
欠点だらけの六人が挑むのは、魔王だけではない。
これは、与えられた役割に抗いながら、自分が何者になるのかを自分自身で選ぼうとする――史上最弱の勇者パーティーの物語。