あらすじ
「頼む、分かってくれ。君を愛する気持ちに変わりはない。だが過ちを犯した以上、彼女を正妻にせねばならない。君には……第二夫人として側にいてほしい」
幼馴染であり、若き騎士団長である婚約者アルフレッド。
数々の『匂わせ』やライバル令嬢の企みに気づかず、無自覚な鈍感さと無防備な善意で彼女を庇い続けた彼が、最後に選んだのは「不貞の責任を取る」ことだった。
「私の愛したあなたは、もうどこにもいらっしゃらないのですね」
絶望の末に心が冷めきったセリアは、交わした誓いの指輪を返し、黙って彼の元を去る決意をする。
真実を知り、己の愚かさで最愛の女性を自ら傷つけ手放したことに気づいた時、冷酷であるはずの騎士団長は雨の中で泥まみれになり、ボロボロと泣き叫びながら彼女の足元に縋り付くのだった——。