あらすじ
晩秋、地方の子会社へ出向を命じられた石川は、十年前に妻を亡くして四十歳を目前にした一人暮らし。しかも出向するその土地は、春に大学へ進学して家を出たばかりの一人娘、小春の暮らす街であった。
高校進学以降父親とのコミュニケーションを避けていた娘のいる街へ、石川は仕方なく出かける。娘の住むアパートを訪ねた石川だが、意外な人物と再会する。
そこで改めて気付かされる、早逝した妻への思いと、自分を避けている娘の本当の気持ち。娘の幼馴染である女子大生が語る虚実交えた言葉に翻弄される、無気力な中年男。
三人の歩む道が、地方の小都市で再び交錯する。