あらすじ
十六歳の綿紡希空(わたつむぎ・のあ)は、ロリィタ服を愛する女の子。
夏休み、軽井沢にある祖母の家を訪れた希空は、ある出来事をきっかけに東京へ帰ろうとする。
けれど、突然の夕立のなか道に迷い、森を走っているうちに――世界の「ひずみ」へ足を踏み入れてしまう。
辿り着いたのは、誰もいない古い家。
そこで希空が出逢ったのは、白猫のような不思議な青年・ナツだった。
帰る方法もわからないまま始まった、ナツとの奇妙な暮らし。
一緒にごはんを食べて。
話をして。
笑って。
少しずつ、彼のことを好きになっていく。
けれど希空は、まだ知らない。
この世界のことも。
ナツが何者なのかも。
そして、この夏にはいつか終わりが来ることも。
これは、世界のひずみに迷い込んだ少女と、
夏のなかにいた白猫の青年の、
恋になる、ほんの少し前のお話。