あらすじ
「……頼れよ、俺を。」
大学生になった光出涼は、誰の目にも完璧に見えた。
政界の名門・光出家の嫡男。
整った容姿、物腰柔らかな姿勢、優秀さは変わらず人を惹きつける。
涼は大学に通う傍ら、会食やインターンをこなしながら、少しずつ政治の世界へ足を踏み入れていた。
中学時代に負った傷も、もう外からはほとんど見えない。
――そう、見せている。
久遠政輝は、何も言わずにそばにいた。
大学が終われば同じ部屋へ帰り、
共に食事を取って同じベッドに入り、
呼吸が浅い日は隣に座る。
そして、丁寧に触れる。
恋人ではない。
好きとも言えない関係性。
それでも、互いなしでは説明できないほど二人の日常は重なっていた。
そして、これからも共に歩んでいけると、思っていた。