あらすじ
恋をしたことがない、お嬢様――神崎茉莉奈。
周囲から大切にされて育った彼女には、一つだけ悩みがあった。
それは――
恋愛が、分からないこと。
そんな茉莉奈がある日、専属執事の黒木凌久に一冊のノートを差し出す。
そこに書かれていたのは、
『疑似夫婦生活計画』
一緒に暮らす。
一緒に食事をする。
デートをする。
手を繋ぐ。
キスをする。
そして――本当の夫婦のように過ごす。
「凌久、私と疑似夫婦になってくれない?」
「……承知しました、お嬢様」
こうして二人の奇妙な共同生活が始まった。
けれど茉莉奈は知らない。
凌久がずっと前から、自分に特別な想いを抱いていることを。
そしてある日、茉莉奈の前に現れた一人の男――篠山駿。
町で偶然ぶつかった茉莉奈に一目惚れした駿は、次第に彼女へ異常な執着を見せ始める。
届く、見覚えのない贈り物。
知らないはずの茉莉奈のことを知っている男。
そして明かされていく、二人の過去。
幼い頃、茉莉奈と凌久は一度だけ出会っていた。
そのとき交わした、
「僕が守る」
という小さな約束。
疑似夫婦から始まった二人の関係は、やがて本物の恋へ変わっていく。
執事とお嬢様。
狼と白猫。
――恋をしてはいけない二人だったはずなのに。
これは、偽物の夫婦から始まった二人が、本当の愛を見つける物語。