あらすじ
20歳で妊娠をきっかけに結婚した最初の妻を死産と自殺で失い、心に深い傷を負った聡。
優しさと気の弱さゆえに他人に強く言えない彼は、22歳で再婚した妻・清美や子供たちとも、どこか距離を埋められずにいた。
妻の妹たちとの同居、すれ違う夫婦生活。自分の居場所を見失い、家を空けるようになった聡のもとに届いたのは、一枚の離婚届だった。
「一家の主として信用できないあなたが、もう好きではない」
家族を失い、父親としての権利も捨てた聡。
歳月が流れ、孤独に慣れた頃、遠い親戚であるみゆきと新しく二人だけの生活を始めたばかりの彼の前に現れたのは、成長した中学生の娘だった──。
完全な父親にはなれなかった男の「孤独」と、人生の終盤に訪れる静かな温もりを描くヒューマンドラマ。