あらすじ

魔法が当たり前に使われる王都で、魔法を使えない髪結い師エステル。

彼女の店は、流行の髪型を売りにする店から「時代遅れ」と笑われ、弟子まで引き抜かれてしまった。

それでもエステルは、やり方を変えない。

流行だからと無理に髪を梳かない。
一か月後、二か月後の髪の伸び方まで考えて鋏を入れる。
そして最後は、客自身が毎朝整えられるかを確かめる。

「店を出た瞬間が完成ではありませんから」

客足が減っても、彼女はただ髪と向き合い続けた。

そんなある日、地方から一人の女性が訪れる。

彼女の髪を見ただけで、エステルは気づいた。

――この人も、髪結いだ。

やがて王都から遠く離れた場所からも、髪結いたちがエステルの店を訪れるようになる。

彼らが求めていたのは、最新の流行ではない。

「一か月後も、自分の手で綺麗にできる髪」だった。

流行遅れと笑われた小さな髪結い店。

そこにはいつしか、全国の腕利きたちがこっそり通うようになっていた。

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アルファポリス
アルファポリス2026/08/21
  • 現在の作品ライバル店に弟子を引き抜かれた流行遅れの髪結い師、何も変えずに続けていたら全国の髪結い師がこっそり通う「業界の聖地」になっていた