あらすじ
「婚約を破棄する。お前が地図にない村を捏造した責任を取れ」
王都の公開裁定でそう告げられた伯爵令嬢ミレイは、破られた地図の余白から、消された村の名を聴き取った。土地の本名を聴く力を持つ彼女に、北境伯ローデンは「存在しないことにされた村を、王国の地図へ戻してほしい」と依頼する。道標も法的な後ろ盾もない辺境で、二人は村人の記憶と改竄の証拠を集める。やがて空白の裏に、王都の利権とミレイの母が残した署名が浮かび上がり――。消された名前を取り戻す仕事から始まる、地図師令嬢と不器用な辺境伯の再出発。