あらすじ

死者に触れると、その人間の最後の一分だけを追体験できる。 代償は、自分の寿命が一日減ること。 魔法が枯れて二百年。残ったのは〈余燼〉と呼ばれる、しょうもない一芸だけだった。港湾都市ヴェリガルの下級役人グレンは、自分の余燼を「実用性なし」と偽って台帳に登録し、検屍局の書記見習いとして静かに暮らしていた。無能には、誰も期待しないからだ。 事故として処理されるはずだった、身元不明の水死体。 だがグレンがその最後の一分を視たとき、水面の向こうから見下ろしていたのは――衛兵隊次長の顔だった。 そして男の唇は、こう動いた。 「あと、ひとり」 寿命を一日ずつ支払いながら、無能を装う書記が、港町の腐敗をひとつ残らず暴いていく。 魔法のない世界の、地味で確実な逆襲が始まる。

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小説を読もう2026/08/22
  • 現在の作品死者の最後の一分しか視えない無能スキル ~寿命を一日ずつ削る検屍書記、港町の腐敗をひとつ残らず暴いていく~