あらすじ

世界のどこかに、予告なく異界の門が現れる。 ひと月が過ぎれば門は開き、内側から無数の魔物があふれ出す。 それを止められるのは、教会が異世界から召喚した勇者ただ一人だとされている。 国外、紛争地帯、悪路。 正規軍ではたどり着けない場所に現れた門は、教会公認の民間傭兵団〈聖勇者護送指定団・第三号〉が担当する。 通称、片道屋。 彼らの仕事は、その勇者を期限内に、門まで生きたまま送り届けることだ。 崩れた橋は力ずくで架け直し、道を塞ぐ魔物は殴り倒し、逃げ出した勇者は担いで運ぶ。 行程を組み、飯を炊き、遅延の理由を書き、追加経費を請求する。 門の中で何が起きるかなど、彼らの知ったことではない。 契約はいつも、門の前で終わる。 門が消えたあと、その場所には勇者の遺体だけが残る。 使命を信じる勇者。 すべてを疑い、帰還を求める勇者。 自分が消えても構わないと思っていた勇者。 三人の異世界人を同じ手続きで運ぶうち、傭兵たちの中に、帳簿では精算できないものが残り始める。 英雄を死地まで運び続けた〈片道屋〉が、初めて帰りの荷を取りに行く物語。

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カクヨム
カクヨム2026/08/21
  • 現在の作品聖勇者護送指定団・第三号