あらすじ
ゼフは限界集落で雑魚モンスターを狩るしがない剣士だ。
かつては英雄を志したものの幾度の挫折で夢破れ、いまは呑気に田舎暮らしをしている。
しかし、村人が減り集落移転となったことでゼフの運命が動く。
移転先には既に護衛の兵士が揃っており、自分の力など必要なかった。
「だったら、久しぶりに都会観光でもするか」
物見がてら城塞都市をのんびり観光していたゼフは、魔物討伐の仲間を募集する生意気な女に絡まれる。
「最近の戦士は気概がなさすぎる。お前も剣士なら最前線で戦え」
と、いわれのないお説教を受けるゼフ。
けれど、血気盛んな彼女にかつての自分を重ねたゼフは、慢心で己と同じ轍を踏まぬよう、戒めも兼ねて女の盾を一撃両断した。しかも、錆びた剣で。
圧倒的な力の差に絶句する女を置いて、颯爽と立ち去るゼフは後に知ることになる。
相手が城塞都市最強の姫騎士で、その盾は名匠の一品だったことを。
姫騎士に剣の腕を惚れこまれ、執拗に勧誘されることを。
限界集落で日課として剣を振り続けた積み重ねで、実力が跳ね上がっていたことに。
徐々に自分の強さを自覚していくゼフは思う。
——俺はまだやれるのか。
一度は夢諦めた男は、再び最前線へ。
何歳からでもやり直せると証明するために。
そんな彼を人々は野に隠れていた剣聖だと勘違いしていく。
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