あらすじ
十二年前、母を亡くした北方貴族の令嬢エレノア・グレイヴは、父である黒百合侯爵の訃報を受け、故郷のヴァルプルギス館へ帰還する。
遺言の開封に集められたのは、侯爵家の相続に関わる十二人。
ところが晩餐室には、死者である侯爵のものを含めた十三人分の席が用意されていた。
吹雪によって外界から閉ざされた館。
鳴るはずのない十三回目の鐘。
そして、侯爵の杯を口にした長男が死亡する。
残された遺言には、こう記されていた。
夜明けまでに一族の罪を暴き、最後まで残った者を、我が後継者とする。
相続人たちが一人ずつ殺されていくなか、エレノアは母の死と自らの出生に隠された真実へ近づいていく。
しかしそれこそが、黒百合侯爵の仕掛けた最後の罠だった。