あらすじ
その島では、人間に値段が付く。
帝国を追われた若き騎士カリュースは、
白髪の友リーディスと共に、
追放者が送り込まれるバラフ島へ渡る。
だが二人が降り立ったのは、人間を売る競売所と、
賭けの闘技場が富を生む無法の島だった。
島の正体を知らぬまま巻き込まれた食堂の乱闘。
その騒ぎが収まった時、友の姿は消え、
残されたのは身に着けていたローブだけだった。
一人の闘士と出会った若き騎士は、
友を取り戻すため、自ら地下闘技場の砂を踏む。
一方、競売の商品として売られた友も、
ただ救いを待ってはいなかった。
戦う力を持たぬ彼は、知略と観察眼を武器に、
囚われた場所から脱出の糸口を探し始める。
無知の代償を一つずつ支払いながら、
金がすべてを支配する島の掟を学び、
そこで力強く生きる者達と絆を結んでいく二人。
だがこの島には、入口はあっても出口がない──
奪われたのは友だけではなく、
人としての尊厳そのものだった。
『鉄扉の虜囚』は、人を商品とする仕組みに抗う
追放者達の選択と絆を描いた、
全74話完結の長編戦記である。