あらすじ
2000年、夏。 新宿・歌舞伎町の路地裏で、弾丸が肉を穿つ音が響いた。 血の海に倒れた男と、男を死に追いやった男たち。 そして、暴力の暴風雨の中で絶命した――はずの、俺。
だが、次に息を吹き返したのは、冷たい水の張られた風呂場の中だった。
服は濡れ、傷は残り、記憶は欠落している。 生きている理由も、ここが誰の部屋なのかも分からない。
ただ、ひとつだけ確かなこと。 俺が眠っていたのは、都内有数の高級タワーマンションの一室。 そしてドアを開けて入ってきたのは、見知らぬ、美しすぎる女だった。
「……あんた、誰?」
『民間事件解析事務所』を営む女。 彼女は俺の顔を見た瞬間、息を呑み、何かを言いかけて――口をつぐんだ。 まるで、そこに入るはずのなかった「絶対に会うはずのない誰か」を見たかのように。
歌舞伎町を蝕む、不気味な黒い影。 夜の街で相次ぐ不審な事件、表舞台で『正義』を謳う政治家たちの冷たい笑顔。 そして、警察の枠組みすら超えて動く、正体不明の公安警察。
何もかもが狂っている。 ただの多重債務者だった俺の日常は、あの日、歌舞伎町の底で死んだ。 否――「殺された」のだ。
誰が俺を殺し、誰が俺を生き返らせたのか? なぜこの女は、俺の顔を見て絶望したのか?
引き返せない暗闇の先で、俺たちはこの国の土台を腐らせている『静かなる侵略(サイレント・インベージョン)』の真実と遭遇する。
「見えている世界を疑え。お前が覚えている『昨日』すら、嘘かもしれない」
逃げ場のない真実(罠)へと落ち,
”蝕んで侵食していく”、至高のサスペンス・スリラー、開幕。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・名称等は架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません