あらすじ
婚礼を三日後に控えた屋敷で、花嫁ノエミの椅子だけが晩餐の席から消えていた。客として招かれた未亡人ソランジュが数えたのは、十一脚の椅子と十二人の列席者、そして継母ドロテアの前に置かれた百合彫りの銀匙。翌晩、その銀匙がノエミの肩掛けから見つかり、婚礼中止ばかりか使用人全員の解雇まで告げられる。ソランジュは、即時弁償か、第三の晩餐で銀器棚と保管手順を親族の前に公開するか、二つに一つを継母へ迫った。第三の鐘までに無実を証明できなければ、ノエミは屋敷を、使用人は給金と住まいを失う。三度目の銀匙が示すのは、盗人か、それともこの家の本当の女主人か。旅先ではいつも客だったソランジュが、証言と契約で消された席を食卓へ戻すお話。