あらすじ
「ザイル・アボット、お前に与えるスキルはねぇ! はは、ざまぁみろ!」
ザイル・アボットは、神国アイナのために命を賭す聖職『聖騎士』になるべく、聖騎士学院を全科目主席で合格した。
通例、主席合格者は、女神の使徒から当たりスキルを与えられる。
しかし、使徒コルンからザイルに告げられたのは、暴言に次ぐ暴言。ハズレどころかスキルすら貰えなかったザイルは、壮絶な手のひら返しにあったのだった。
中でも酷かったのは、修道院時代からの友人のロンだ。
「死ねッ! この異端者が!!」
当たりスキルを得た彼は、そのスキルでザイルをボコボコにした上に、倒れ伏せたザイルを死体蹴りしたのだ。
「……勝負はついた。これ以上の攻撃は無用だ」
周りの聖騎士が傍観する中、たった一人、この惨憺たる戦いを止めに入ったのが、女騎士のユーリであった。
ユーリは、反抗するロンをあっさりと制圧。悔しげなロンを見たザイルは、謎の熱病に侵され気絶したのだった。
運び込まれた保健室のベッドで目が覚めたザイル、その元にやってきたのは、使徒コルンだった。
「君のスキルの副作用、説明するの忘れてたね、ごめん」
使徒コルンの言葉にザイルは戸惑う。
「俺はスキルをいただいていないはずですが……」
「違う違う! あれは、初めて卸すスキルだから使い方を見せただけだよ! 君のスキルは『ざまぁするほど強くなる』だ!」
「……えっ」
ザイルは、悔しそうなロンを心の底で【ざまぁ】し、スキルが発動。その副作用の興奮で倒れたとコルンは言うのだ。
「使徒様、それは何かの間違いです」
しかし、ザイルは否定する。
聖騎士は女神の剣、血以外で穢れてはならない。
「だから俺は、ざまぁなんて汚い真似はしない!……しないんっ、だからぁ♡」
上の口ではそう言いながら、下のスキルは正直そのものなザイルは、それから何かとスキルを発動し、その度に罪悪感に苦しみながらも無双、最底辺から成り上がっていくのだった――。