あらすじ
「この腐敗した世界を終わらせろ」
管理神エイドスによって異世界へ転生させられ、あらゆる存在や事象を無へ帰す『終焉権能』を与えられたヴァルド・ノクス。
神をも超える最強の魔王となった彼が、世界を滅ぼせという命令に出した答えは――
「断る。面倒だ」
世界征服にも人類滅亡にも興味はない。
戦争や差別によって居場所を失った人間、亜人、魔族を領地へ受け入れ、静かに暮らしていた。
ところが、命令に従わないヴァルドに痺れを切らした管理神は、チート能力を与えた異世界の勇者を次々と送り込み始める。
時間停止、無限魔力、絶対切断、セーブ&ロード――。
その全てを退け続けて、数万年。
「……最近、我を倒しにくる奴等、多くない?」
週一ペースの襲撃と、壊され続ける魔王城の修繕費に疲れ果てたヴァルドの前へ、ある日、一人の青年が現れる。
神授特典なし。
聖剣なし。
優れた才能もなし。
職業は、ただの【村人】。
それでも誰かを守るため、恐怖に震えながら前へ立つ青年を、人々は「勇者」と呼んだ。
神に選ばれたチート勇者たちを倒し続けてきた魔王と、神に選ばれなかった本当の勇者。
二人の出会いが、数万年止まっていた魔王の人生を動かし始める。
これは世界を滅ぼせなかった最強魔王が、やがて全ての力と地位を手放し、人間へ生まれ変わって「普通の人生」を探す物語。