あらすじ
「君でなければできない仕事が、見つからない」
王都の商会で七年間働いた事務員レインは、経費削減のため希望退職を勧められる。
確かに、彼の仕事は誰にでもできた。
注文処理も、在庫管理も、請求も。
レイン自身が、誰にでもできるよう七年かけて整えてきたからだ。
半年分の給与を受け取り、彼は小さな商会へ転職する。
そこで待っていたのは、山積みの書類、終わらない残業、頻発するミス。
レインはいつも通り、目についた無駄を一つずつ直していく。
すると残業が減った。
人を増やさず仕事が回った。
請求漏れが消えた。
利益が増えた。
そしてある日、社長から思いもよらない額の賞与を提示される。
「これは君が会社に残した利益の一部だ」
初めて、自分の仕事に値段がついた。
一方、以前の商会ではレインが作った仕組みは問題なく動き続けていた。
――商売の形が変わる、その日までは。
目立たない事務員だった男が、業務を変え、利益を生み、やがて会社同士から奪い合われる専門家になっていく。
働いた分だけ、ちゃんと評価されたい。
そんな願いを少しだけ叶える、異世界お仕事成り上がり物語。