あらすじ

数値インフレ、戦闘力制限、限定ガチャ、課金装備――。 十二年続いたオンラインゲーム『エンドレルム・プロトコル』は、アップデートを重ねるたびに、かつての面白さを失っていった。 それでもゲームを辞められず、累計百八十万円以上を課金してきた孤独なプレイヤー・久瀬玲司。 最後の大型アップデートを迎えた夜、彼のもとに差出人不明のメールが届く。 ――そのバージョンが攻略不可能なら、正しいバージョンを試してみないか? 次に目を覚ましたとき、玲司は『エンドレルム・プロトコル』の世界にレベル一で転移していた。 そこは、宝石刻印も、ペットも、職業覚醒も、神器も、機兵も存在しない、オリジナル版Ver.1.0の世界。 だが、玲司のステータス画面だけはVer.12.0のままだった。 未来の育成システムはすべて使用可能。 購入済みアイテムの所有権も残っている。 しかし、課金ショップには接続できず、残された有料通貨は有限。そして、この世界には復活も存在しない。 現地の鑑定術に映るのは、玲司の低い基礎能力だけ。 誰も知らない装備倍率、ジェム共鳴、ペットの絆、隠し職業、称号効果、最終ダメージ――十二バージョン分のシステムを重ねたとき、わずかな力は常識外れの一撃へと変わる。 ただし、未来の力を使うたび、世界の歴史もまた、本来とは違う方向へ更新されていく。 これは、数値と課金によって壊されたゲームを、唯一のプレイヤーが最初から攻略し直す物語。 そして、人をレアリティや性能でしか見られなかった男が、攻略情報には存在しない選択をするまでの物語である。

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小説を読もう2026/08/21
  • 現在の作品バージョン・ブレイカー ~俺のステータスだけが十二バージョン先にある~