あらすじ

アルディナ王国では、双子は「一つの魂を二つに分けた存在」とされ、片方が死ねば、残された者が爵位も財産も婚約も引き継ぐ――「双生継承法」が存在する。 伯爵令嬢リディアは、双子の姉エレナを事故で失った翌朝、父から命じられる。 「エレナの婚約を、お前が継げ」 相手は北方を治める“氷の公爵”クロード・ヴァレンティア。姉の代わりになることを拒むため公爵邸へ向かったリディアだったが、家族ですら見間違えてきた双子を、クロードだけは一目で見抜く。 「君はエレナではない。だから私は、君との婚姻を望む」 しかも彼は、初対面のはずのリディアを以前から知っているという。 やがてリディアは、エレナが死の直前に婚約解消を申し出ていたこと、双生継承法そのものを調べていたことを知る。そして姉が残した日記には、 『もし私が死んでも、リディアをエレナにしないで』 という言葉が記されていた。 消された出生記録。姉妹を意図的に入れ替えてきた父。百年以上隠されていた双生継承法の原文。そして、エレナが最後に盗み出した王家文書。 真相を追ううち、リディアは知る。 自分たちには最初から「姉」も「妹」も存在せず、父が片方を跡継ぎのエレナ、もう片方を“予備”のリディアとして決めただけだったことを。 さらにエレナは、自分が死んだあとまで妹が人生を奪われないよう、すべてを捨ててリディアを自由にしようとしていた。 姉の人生も、姉の婚約も、姉の記憶もいらない。 私は私として生きたい。 そして、クロードを好きになったこの気持ちだけは、誰の代わりでもない私自身のものだ。 死んだ姉の婚約者から始まった二人の関係は、やがて法律でも家でも決められない、たった一つの選択へ変わっていく。 これは、誰かの代わりとして生きてきた少女が、初めて自分の名前で愛する人を選び、そして選ばれるまでの物語。

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小説を読もう2026/08/21
  • 現在の作品死んだ姉の代わりに嫁いだら、冷酷公爵だけが私を姉ではないと言う