あらすじ
魔王が結婚相談所へやって来た。
待合室の客は全員逃げ、受付係は気絶した。
それでも主任相談員セレナは、いつもどおり受付票を差し出す。
「まずは番号札をお取りください」
「魔王にも必要なのか?」
「ほかのお客様にもお待ちいただいておりますので」
八百七十二歳、初婚。
職業は魔王。年収は北方金山三つ分。休日は陳情書の処理と処刑命令の却下。趣味は薬草の世話。
そんな魔王ヴァルハルトの希望は、世界征服へ反対してくれる婚約者だった。
彼が身につけている王冠は、毎日のように人間界への侵攻を提案してくる。しかし魔王の伴侶が反対すれば、その命令を止められるという。
《人間王国への侵攻を提案》
「却下します」
《提案を棄却》
なぜか相談員であるセレナの言葉にも従う王冠。
それでも彼女は、自分が婚約者候補だとは思っていない。
女騎士とのお見合いは決闘になり、聖女との面談では魔王が救済を拒み、魔族令嬢は世界征服へ乗り気すぎて不成立。
面談を重ねるほど、魔王の希望条件はセレナ本人へ近づいていく。
世界征服、職業倫理、不当な婚姻契約。
すべてまとめて、主任相談員が処理いたします。
世界征服をやめたい生真面目な魔王と、魔王にも利用規約を守らせる結婚相談員のお仕事ラブコメディー。