あらすじ
高校のサッカー部で、泥臭くも確かな絆で結ばれていた幼馴染の一ノ瀬漣(いちのせ れん)と神城玲央(かみしろ れお)。
しかし、ある夏の公式戦で漣がハットトリックを決め、エースストライカーとして脚光を浴びたことから、二人の『普通』の日常は音を立てて崩れ始める。
周囲の歓声に流され、チヤホヤされる居心地の良さに甘えていく漣。
一方で玲央は、次第に教室の隅、そしてピッチの外側へと追いやられていく。
すれ違いの果てに訪れた、決定的な決裂。そして翌日、玲央が急に「海外へ転校する」という報せが届く。
拒絶されたスマホ、繋がらない声。
焦燥感に駆られた漣が、かつての『秘密の場所』でようやく見つけた玲央の手には、海外の『心臓血管外科』の書類が握られていた。
玲央がBチームに落ちたのは、下手になったからではない。
激しい運動をすれば、いつ心臓が止まってもおかしくない難病を患っていたからだった。
エースとして輝く漣の邪魔になりたくないと、一人で死の恐怖に耐え、消えようとしていた玲央。
すべてを知った漣は、栄光もプライドも投げ打ち、玲央を乗せた飛行機が飛び立つ成田空港へと走り出す。
成功率50パーセントという海外での命がけの手術に挑む親友に、漣が遺した『10番の約束』とは――。
生と死、栄光と挫折の狭間で、二人分の鼓動を胸に走り続けるストライカーの、切なくも熱い青春ストーリー。
【登場人物】
■一ノ瀬 漣(いちのせ れん)
主人公。サッカー部のエースストライカー。
■神城 玲央(かみしろ れお)
漣の幼稚園からの幼馴染であり、最高の親友。元